片面型枠

建設現場でよく使われる「型枠」は、コンクリートを打設するときの“枠”のことです。
通常は、両面に型枠を立てて、そこにコンクリートを流し込んで固めますが、
「片面型枠」は片方にしか型枠を立てられないときに使う方法です。
片面型枠の例
用途 説明
地中梁の立ち上がり 片側が土や壁で囲まれていて、もう片側しか型枠が組めないとき
壁際・擁壁工事 隣地ギリギリや構造的に片面しかスペースがない場合
基礎の立上り外周 外部に型枠が設置できないときなど
特徴と違い(両面型枠との比較)
・片面型枠
型枠の設置 :一方のみ
コンクリートの圧力 :片側のみで受けるため強度が必要
セパレータ :なし(つなげられない)
支保工 :大がかりな控え(支え)が必要
・両面型枠
型枠の設置 :両側に設置可能
コンクリートの圧力 :両側で均等に受ける
セパレーター :あり(引っ張り金物で両面をつなぐ)
支保工 :比較的簡単
片面型枠で重要なポイント
① 支保工(控え)の計画
→ コンクリート打設時に強い圧力がかかるので、片面型枠はとにかく「倒れ防止」が命!
→ 鋼製のサポート材や、足元のアンカー止めなどがしっかりされているか要確認。
② コンクリート打設スピード
→ 一気に打つと型枠に大きな負荷がかかって崩れる危険あり。
→ ゆっくり段階的に打設するなど、施工管理が大事。
③ 型枠の剛性(がっしりした組み方)
→ セパレーターが使えないので、枠材やつなぎ方に強度が求められます。
→ ベニヤの厚み、桟木(さんぎ)や鋼材のサイズなども重要。