ワーキングジョイント

ワーキングジョイントとは、温度や湿度、地震力、風圧力などの外的要因によって
部材が変形したり、たわんだりする場合に使用される目地(ジョイント)です。
これらの外的要因に対応するため、ワーキングジョイントはムーブメント(部材の動き)を吸収し、
構造物の耐久性を保つために重要な役割を果たします。
特徴
・ムーブメントの吸収:
ワーキングジョイントは、温度変化、湿度変化、地震力、風圧力などによって引き起こされる部材の変 形を吸収します。
これにより、構造物に対するストレスを軽減し、破損を防ぎます。
・目地幅・深さの調整:
ワーキングジョイントでは、部材の動きに追従できるように、目地の幅や深さを慎重に決定します。
これにより、ムーブメントが生じた際にもジョイントが適切に機能します。
・シーリング材の使用:
シーリング材を使用する際は、2面接着を基本にします。
これは、3面接着にするとムーブメント時にシーリング材に局部的な応力が集中し、破断するリスクが高まるためです。
重要ポイント
・追従性の確保:
ワーキングジョイントの重要な要素のひとつは、部材のムーブメントに対する追従性です。適切なシーリング材を選定し、
施工することで、目地が効果的に部材の動きに追随します。
これにより、構造物の耐久性を確保し、長期間の使用に耐えることができます。
・2面接着の重要性:
シーリング材の施工においては、2面接着が基本です。
これはムーブメントに伴う局部応力を防ぐために必要な手法で、3面接着では破断のリスクが高まります。
施工時には必ずこの点に留意することが重要です。
・ノンワーキングジョイントとの違い:
ワーキングジョイントに対して、ノンワーキングジョイントというタイプもあります。
ノンワーキングジョイントは、目地にムーブメントが生じない、または非常に小さい場合に使用されます。
この場合、3面接着が有効とされます。
現場監督としての重要性
現場監督にとって、ワーキングジョイントの設計と施工は非常に重要な業務です。
適切なワーキングジョイントを設けることで、構造物の耐久性や安全性が向上します。
特に、シーリング材の選定や目地の設計に関しては、施工ミスが構造物の破損や劣化を引き起こす原因となるため、
慎重に行う必要があります。
現場監督としては、施工前に設計仕様書を確認し、シーリング材や目地の寸法が適切であることを確認することが求められます。
また、施工後には適切な検査を行い、
ムーブメントに追従するようなジョイントが正確に設置されているかを確認することも重要です。
関連用語
・シーリング材(Sealing Material)
・ノンワーキングジョイント(Non-working Joint)
・ムーブメント(Movement)
・目地幅(Joint Width)
・目地深さ(Joint Depth)
・2面接着(Two-Sided Adhesion)
・3面接着(Three-Sided Adhesion)