TQM

TQM(総合的品質管理)は、組織全体で品質の向上を目指す経営手法の一つです。
建設業においては、現場監督や職人、設計者など、
すべての関係者が品質に対する責任を共有し、
作業の効率や成果物の品質を向上させるために継続的な改善活動を行います。
TQMは、単なる品質管理だけでなく、プロジェクト全体の進行管理や
顧客満足度の向上にも関わる重要な概念です。
特徴
・全員参加型:
TQMの基本的な特徴は、組織の全員が品質向上に貢献することです。
現場監督は、チームメンバー全員が品質改善の活動に参加し、
意識を高める役割を担います。
・継続的改善:
TQMでは、品質管理の活動を一度きりではなく、
継続的に改善し続けることが求められます。
これにより、問題が発生する前に予防的に対処できるようになります。
・顧客満足度重視:
TQMの目的は、単に品質を高めるだけでなく、
顧客の満足度を最大化することです。
建設業の場合、完成した建物が顧客の期待に応える品質であることが最も重要です。
重要ポイント
・現場監督の役割:
現場監督は、TQMの導入において中心的な役割を果たします。
日々の作業品質のチェックや、チームメンバーへの教育・指導を通じて、
全員が品質向上に貢献できるよう促進します。
・問題の早期発見と改善:
現場での品質不良や問題が発生した際には、TQMの考え方に基づき、
迅速に改善策を講じることが求められます。
現場監督は、問題の根本原因を分析し、再発防止策を立案・実行します。
・データと分析の活用:
TQMでは、作業の進捗や品質に関するデータを集め、
統計的手法を用いて問題点を分析します。
現場監督は、定期的にデータを収集し、
品質管理の向上に活用することが求められます。
現場管理における重要性
TQMは、建設現場での作業品質を高め、工程の効率化やコスト削減、
さらには顧客満足度の向上に貢献します。
現場監督は、TQMを実践することで、チーム全体が品質向上に対して
意識的に取り組む環境を作り出します。
このような取り組みは、完成物の品質を高めるだけでなく、
安全性の向上にもつながります。結果として、施工中のミスや手戻りを減少させ、
プロジェクトの成功率を高めることが可能となります。
関連用語
・品質管理(QC):
物理的な品質管理を行う方法。TQMの中の一部として取り組まれますが、
より広範な管理手法であるTQMとは異なります。
・PDCAサイクル:
計画(Plan)→実行(Do)→確認(Check)→改善(Act)のサイクルで、
TQMの重要なフレームワークとして活用されます。
・カイゼン:
継続的改善を意味する日本語。
TQMの理念において、作業工程や管理方法の改善に役立つ考え方です。