倹飩式

倹飩式とは、戸や蓋をはめ込む方式の一種で、
特に日本の伝統的な建具や家具において見られる技法です。
この方式では、上下に溝を作り、
その溝に戸や蓋を上げてはめ込む形が特徴です。
一般的に**「慳貪式」**とも書かれ、建具や障子、さらには岡持ちの戸など、
狭い空間での使用に適しています。左右の溝にはめ込む方式もあり、
これによってより多様な用途が生まれます。
特徴
・上下の溝にはまる構造:
戸や蓋が上下の溝にぴったりと収まるため、強固で安定した固定が可能です。
・開け閉めの方式:
引き違い戸のように部分的に開閉することはできませんが、
戸を完全に開けるか完全に閉めるかの動作で使用されます。
・用途:
主に小さな障子や、出前用の岡持ちの戸などに見られます。
狭い室内空間や収納が求められる場面に適しています。
重要ポイント
・設置場所の制限:
開け閉めは一方向のみのため、可動性の高い建具や戸には適しません。
狭い空間や一方向での操作が求められる場所で使用されます。
・建具の取り外し:
はめ込まれた蓋や戸は、わずかに上げて外すことができるため、
メンテナンスや交換が比較的容易です。
現場監督としての重要性
・細部の精度:
倹飩式の溝や戸を正確に取り付けるには、細かな寸法管理と
精度の高い施工が求められます。
現場監督は、設計通りの寸法で施工が行われているかを確認する必要があります。
・適切な使用場面の判断:
この方式は小さな空間や特定の建具に適しているため、
現場で使用するべきかどうかを適切に判断する能力が必要です。
関連用語
・溝:物をはめ込むために作られる、凹んだ部分。
倹飩式では、上下の溝に戸や蓋をはめ込む。
・障子:和室の壁や仕切りに使われる、紙を張った木のフレーム。
倹飩式は、このような建具にも適用されます。