藁すさ

藁すさとは、土壁のひび割れ防止や補強のために使用される藁のことを指します。
土壁を作る際に、下塗りや中塗りの土に混ぜて使用される藁くずや糸くず、紙くずを「すさ」と呼び、
その中でも特に藁を用いるものを「藁すさ」と呼びます。
この藁すさは、壁のひび割れ防止だけでなく、保水性を高め、乾燥後の収縮ひび割れを分散させる効果もあります。
藁すさにはいくつかの種類があり、藁をそのまま入れる「荒すさ」と、藁を揉んで使う「揉みすさ」があります。
以前は米俵やむしろなどを切って作られていましたが、現在では専用の工場で製造されることが一般的です。
藁すさの種類や量は、使用する塗り壁の種類によって使い分けられます。
また、すさ按配という言葉は、藁すさを適切な量に調整することを指します。
特徴
・ひび割れ防止効果:
藁を混ぜることで、土壁のひび割れを防ぎます。
特に乾燥後の収縮によるひび割れを防ぐため、藁の柔軟性と弾力性が有効です。
・保水性の向上:
藁すさは、土壁の保水性を向上させる働きがあり、湿度の調整を助けます。
これにより、湿気による劣化を防ぐことができます。
・種類の使い分け:
藁すさには「荒すさ」と「揉みすさ」の二種類があり、
それぞれ使用する場面や目的によって使い分けられます。
・藁の調整:
藁すさを使用する際には、適切な長さや藁の種類を選定し、
すさ按配で適量を調整することが重要です。
重要ポイント
・すさ按配:
現場監督として、藁すさを使う際には、適切な量と種類を決定することが重要です。
これは、土壁の強度やひび割れの防止に大きく関わるため、慎重に調整を行う必要があります。
・使用する藁の種類と長さ:
藁の種類や長さは、使用する壁のタイプや目的に応じて選定します。
例えば、硬い土壁には長い藁を使い、柔らかい土壁には短い藁を使うなどの工夫が求められます。
・適切な施工技術:
藁すさは適切に混ぜ込み、均一に配分することが求められます。
不均一に入れると、壁が不安定になったり、ひび割れが発生する可能性があります。
現場管理における重要性
藁すさは、土壁の構造的な安定性と美観の両方に大きな影響を与えます。
現場監督として、藁すさの適切な配分や調整を行うことが重要です。
また、壁の乾燥後にひび割れが発生しないよう、施工前に天候や湿度に配慮した施工管理が求められます。
藁すさの量が多すぎると壁が弱くなり、少なすぎるとひび割れを防げなくなるため、細かな調整が必要です。
関連用語
・すさ按配:藁すさの適切な量や種類を決定する技術。
・荒すさ:藁をそのまま入れる方法。
・揉みすさ:藁を揉んで使う方法。
・土壁:藁すさを使って施工される、自然素材を利用した壁。