リブヴォールトは、ゴシック建築においてよく用いられた天井の構造様式で、特に教会や大聖堂などの建築に多く見られます。
この構造は、アーチを組み合わせて天井を支える「ヴォールト」構造の一種で、
リブと呼ばれる補強用のアーチを使用して天井を支えています。
リブヴォールトを用いることで、天井の軽量化が可能となり、広い空間を支えることができます。

特徴
　・アーチによる構造の強化
　　ヴォールト（アーチ）構造の特徴は、アーチを平行に押し出した形状です。
　　リブヴォールトでは、このアーチを横断アーチとその対角線上に配置することで、
　　天井全体が補強されます。リブは天井を支える役割を果たし、構造的に安定性を持たせます。

　・軽量化と空間の広がり　
　　リブヴォールトの最大の利点は、天井の軽量化が可能である点です。
　　リブによって補強された構造は、天井全体の重さを軽減し、その結果、より広い空間を確保できます。
　　これにより、広大なホールや大聖堂などの空間を作ることができます。

　・セルによる仕切り
　　リブヴォールトは、リブで区切られた**セル（区画）**を持つことが特徴です。
　　リブの配置によって、天井は複数のセルに分けられ、
　　セルの数に応じて「四分ヴォールト」や「六分ヴォールト」などと呼び分けられます。
　　この構造によって、天井の強度を増し、視覚的にも美しいデザインが生まれます。

　・多様なデザイン
　　リブヴォールトには、リブの形状や配置に応じていくつかのバリエーションがあります。
　　例えば、リブを星型に配置した押し型ヴォールトや、
　　リブをひし形状にして網目状に組み合わせた網状ヴォールトなどがあります。
　　これらのデザインは、視覚的な美しさとともに、建築構造の機能性を高めています。

重要ポイント
　・構造的な安定性と強度
　　リブヴォールトの構造で最も重要なのは、リブが天井を補強する役割を果たす点です。
　　リブは天井の荷重を均等に分散させ、建物全体の強度を保つ役割を担っています。
　　この構造は、特に大きな空間を持つ建物において効果を発揮します。

　・空間の広さとデザイン性
　　リブヴォールトを使用することで、広い空間を支えることができるとともに、視覚的に美しいデザインを実現できます。
　　これにより、教会や大聖堂のような壮大な空間が可能になります。
　　現代の建築でも、空間を広く取るためリブヴォールトに似た構造が使われることがあります。

　・複雑な構造設計
　　リブヴォールトは、リブを正確に配置し、各セルを均等に組み合わせる必要があるため、設計と施工に高い技術が求められます。
　　現場監督としては、これらの構造が正確に施工されるように細心の注意を払い、設計図通りに進行を管理することが重要です。

　・関連する建築様式と用語
　　リブヴォールトは、ゴシック建築に特有の天井様式であり、ヴォールト構造やアーチ構造と深い関連があります。
　　現場監督としては、これらの用語や構造がどのように機能するかを理解し、適切な材料や施工法を選択することが求められます。

現場管理における重要性
　リブヴォールトの施工においては、精密な計画と管理が重要です。
　現場監督は、リブやセルの配置が正確であるかを確認し、施工の進行を管理しなければなりません。
　リブヴォールトの複雑な構造は、構造的な安定性を保つために正確な施工が必要です。
　そのため、施工中に発生する問題を迅速に解決し、設計通りに進行するように監督します。

　また、リブヴォールトは視覚的にも重要な要素を占めるため、完成した際の美しさやデザインが建物の魅力に直結します。
　現場監督としては、設計通りの完成を目指し、美しさと機能性を両立させることが求められます。