塑性とは、物質が外部からの力を受けたときに、
元の形状に戻らずに変形する性質を指します。
特に建設業では、コンクリートや鋼材、金属などの材料が、
外部の力（圧力や引張力）を受けた際に変形し、
破壊せずにその形状を維持する能力を重要視します。
塑性を有する材料は、構造物において変形しながらも破壊を避け、
強度を発揮するため、地震や荷重に対して安定性を保つのに役立ちます。

特徴
　・塑性を持つ材料は、力を加えると変形するが、
　　破壊に至る前に変形が進行し、
　　材料の強度が限界に達する前に警告を発する特徴があります。

　・コンクリートや鋼材、鉄筋など、建設現場で広く使われる材料は、
　　塑性を意図的に利用することで、構造物に対する耐性を高めます。

　・塑性変形は、強度が不十分な場合、物質が破壊される前に発生し、
　　その変形によって応力を分散することができます。

重要なポイント
　・現場監督として、塑性を持つ材料を選定することは非常に重要です。
　　特に、鉄筋コンクリート構造や鋼材などは、塑性を有することで、
　　地震や荷重の変動に対する耐性を確保します。

　・材料の選定においては、塑性を十分に発揮できるような
　　設計が求められます。鉄筋コンクリートの場合、
　　鉄筋の配置やコンクリートの配合が、塑性変形に大きく影響します。

　・塑性変形を利用することで、構造物の破壊を未然に防ぎ、
　　長期的な安全性が確保されます。特に、建物が地震や衝撃を受ける場合に、
　　材料がどの程度塑性変形を示すかが、安全性の大きな指標となります。

現場管理における重要性
　・塑性材料は、構造物が強度を発揮するために重要な要素です。
　　現場監督は、材料の塑性特性を理解し、適切な選定を行い、
　　設計に基づいた安全な施工を進める必要があります。

　・塑性変形を最大限に活用するために、
　　設計段階で適切な荷重条件や材料の配合を設定することが求められます。
　　現場監督は、施工中にその状態を定期的にチェックし、
　　塑性を効果的に活かせるようにします。

関連用語
　・弾性：塑性の対義語で、物質が外部の力を受けた際に元の形状に戻る性質。
　　　　　弾性材料は、外力を受けても変形せず、元に戻る特徴があります。

　・引張強度：材料が引っ張られる力に対して、
　　　　　　　どれだけ耐えることができるかを示す指標。
　　　　　　　塑性材料は引張強度が高く、破壊前に塑性変形を引き起こします。

　・降伏点：材料が弾性から塑性に変わる際の応力の値。
　　　　　　降伏点を超えると、材料は塑性変形を始めます。

　・鉄筋コンクリート：コンクリート内に鉄筋を埋め込んだ構造物で、
　　　　　　　　　　　鉄筋の塑性を活かして強度を発揮します。