系統図とは、建築物における電気設備、給排水設備、
空調設備などの配線や配管の経路を図示したものを指します。
これにより、各設備がどのように接続され、
どのように機能しているかを一目で理解できます。
現場管理や保守点検時に非常に重要な資料となります。

特徴
　・視覚的な把握が可能
　　系統図は配線や配管の接続状況を簡潔に示し、
　　複雑な設備の全体像を理解しやすくします。

　・設備の種類ごとに作成　
　　電気系統図、給排水系統図、空調系統図など、
　　設備ごとに専用の系統図が存在します。

　・メンテナンスに役立つ
　　設備の故障時や修理時に、問題の箇所や影響範囲を
　　迅速に特定するための重要な手掛かりとなります。

　・施工精度を向上
　　系統図を元に施工することで、設計ミスや施工ミスを防ぎ、
　　効率的な工事を実現します。

重要ポイント
　・正確な情報記載
　　各機器や配線、配管の位置・接続関係を正確に記載することが求められます。
　　誤った情報は施工ミスや設備の故障原因となるため注意が必要です。
　
　・図面記号の理解
　　系統図では統一された記号が使用されます。
　　記号の意味を理解し、正しく読み取ることが重要です。

　・現場での活用
　　系統図を基に施工を進める場合、
　　現場で実際の状況に応じた修正や確認が必要です。
　　特に配管や配線の経路変更が発生した場合、
　　即時に系統図を更新することが求められます。

　・現場監督の役割
　　系統図の内容を完全に把握し、職人や技術者と情報共有する責任があります。
　　図面と実際の施工が一致しているかを確認することが現場監督の重要な役目です。

現場管理における重要性
　系統図は、建築物の「設計、施工、保守管理」の
　すべてのフェーズで不可欠な資料です。
　施工段階では作業効率と品質を向上させ、
　完成後はトラブル発生時に迅速な対応を可能にします。
　特に、設備の種類や規模が大きくなるほど、
　系統図の精度と活用度が現場管理の成否を左右します。
　現場監督は、系統図を読み解く能力を身につけると同時に、
　更新や保管にも責任を持つ必要があります。

関連用語
　・配線図：配線経路や接続状況を示した詳細図。

　・配管図：給排水や空調配管の経路や寸法を示した図面。

　・施工図：設計図を基に、施工上の詳細を記載した図面。

　・設備計画：建物内の設備配置や機能を計画する工程。