酸化被膜とは、金属表面が空気中の酸素や水分と反応して形成される
薄い酸化物の層を指します。この被膜は金属の表面を保護し、
腐食や劣化を防ぐ役割を果たします。
主にアルミニウムやステンレス鋼で見られる自然発生的な現象ですが、
人工的に形成される場合もあります（例：アルマイト処理）。

特徴
　・腐食防止の役割
　　酸化被膜は金属表面を覆い、
　　外部環境（湿気や化学物質など）から保護します。
　　アルミニウムやチタンでは特に強固な被膜が形成されやすいです。

　・自己再生能力
　　被膜が傷ついても、空気中の酸素と反応して
　　再形成される特性があります。
　　この性質により、長期間にわたる耐久性が期待できます。

　・施工上の影響
　　酸化被膜は塗装や接着の際に影響を与える場合があります。
　　特にステンレス鋼などでは溶接時に注意が必要です。

現場監督として重要なポイント
　・金属部材の選定
　　屋外使用の場合、
　　酸化被膜を形成する素材（例：アルミニウムやステンレス）を
　　選ぶことでメンテナンスコストを削減できます。

　・溶接や塗装の準備
　　酸化被膜がある状態で塗装や接着を行うと、
　　密着性が低下する可能性があります。
　　酸化皮膜の除去が必要な場面では、
　　適切な前処理（例：サンドブラスト、エッチング）を行います。

　・メンテナンスの知識
　　酸化被膜が劣化する場合もあるため、
　　腐食の進行状況を定期的に確認することが大切です。

関連する用語
　・腐食：金属が環境要因により劣化する現象。

　・アルマイト：酸化被膜を人工的に形成する技術。

　・ステンレス鋼：高い耐食性を持つ金属合金。

　・酸化皮膜除去：酸化被膜を研磨や化学処理で取り除く工程。

現場管理における重要性
　・耐久性の向上
　　酸化被膜は建材の耐久性を大幅に高め、建物の寿命を延ばします。

　・施工品質の確保
　　酸化被膜の特性を理解し、適切に取り扱うことで施工不良を防ぎます。

　・メンテナンスの簡便化
　　酸化被膜を持つ素材を使用することで、
　　現場の維持管理が容易になります。