ネオクラシシズム（Neoclassicism）は、
18世紀後半から19世紀初頭にかけて流行した建築および芸術のスタイルで、
古代ギリシャやローマの美学やデザインに基づくものです。
このスタイルは、古代の建築物の シンメトリー、プロポーション、
柱のデザインなどを再評価し、これを現代的な技術や素材で表現しました。
ネオクラシシズムは、建築における厳格な秩序と均整、
そしてシンプルで優雅なデザインが特徴です。
特に、政府建築や博物館、大使館など、権威や威厳を示す建物に多く見られます。

特徴：
　・古代建築の再評価：
　　ギリシャやローマの建築様式を模倣し、ドーリア式、イオニア式、
　　コリント式の柱や建築要素を多く使用します。

　・シンメトリーと比例：
　　ネオクラシシズムの建物は、左右対称の設計が特徴で、
　　建物の各部分が調和し合うように配置されています。

　・装飾の控えめさ：
　　バロックやロココの装飾的なデザインと比較して、
　　ネオクラシシズムは装飾を抑えめにし、シンプルで明確な線を重視します。
　　建物のデザインには、柱やアーチ、三角屋根（ペディメント）などがよく使われます。

　・公的建物での採用：
　　政府機関や公共施設、博物館、大使館などに多く見られ、
　　権威や秩序を象徴するために用いられます。

重要ポイント：
　・建築の規範としての影響力：
　　ネオクラシシズムは、秩序とシンメトリーを重んじたため、
　　後の建築においても影響を与え続けました。
　　特に19世紀の西洋建築において、その影響は強く見られます。

　・耐久性と重厚感：
　　ネオクラシシズム建築は、石材やレンガを多く使うため、
　　重厚感と耐久性を兼ね備えています。
　　そのため、公共施設や記念碑的な建物に採用されることが多いです。

　・技術革新の反映：
　　当時の建築技術や新しい材料（鉄、ガラスなど）を取り入れながらも、
　　デザイン面では古代建築を強く意識しています。
　　これにより、古典的な美学と現代技術の融合が実現しました。

現場管理における重要性：
　現場監督として、ネオクラシシズムの建物を建設する際には、
　デザインの精度とプロポーションの厳守が求められます。
　シンメトリーや均整を重視するため、
　設計図に基づいて正確に施工を進める必要があります。
　また、古典的なデザイン要素（例：柱、アーチ、屋根の形状など）を
　忠実に再現するために、材料選定や施工方法が重要です。
　構造的な安定性と同時に、美的要素を維持することが現場監督の大きな役割となります。

関連用語：
　・古典主義（クラシシズム）：
　　古代ギリシャやローマの美術や建築に基づくスタイル。
　　ネオクラシシズムはこの古典主義の復興です。

　・ドーリア式、イオニア式、コリント式：
　　古代ギリシャ建築における柱のスタイル。
　　ネオクラシシズムでもこれらが多く採用されます。

　・プロポーション：
　　建物や構造の各部分が調和を保っていること。
　　ネオクラシシズムでは、古代建築における完璧な比例が重視されます。

　・シンメトリー：
　　左右対称のデザイン。ネオクラシシズムの建築で重要な特徴です。