元口

元口とは、丸太の根に近い側の切断面で、木口(こぐち)の一種を指します。
その反対に、丸太の先端にあたる細い側の切断面は**末口(すえくち)**と呼ばれます。
元口は丸太の大きさを表す際や、売買の際に基準として用いられます。
具体的には「長さ〇メートル、元口〇パイ」といった表現で示されます。
元口は木の根元に近い部分であるため、以下のような特徴があります:
・密度が高い赤身が多い部分で、木材の耐久性が高い。
・重く太い丸太となるため、小屋梁や土台などの重要な構造部分に適しています。
・また、床柱として使用する際には、元口を下にして設置するのが一般的で、木が自然に生えている状態を再現します。
これを逆にすることは**逆木(さかぎ)**と呼ばれ、良い結果を生みません。
特徴
・赤身が多く耐久性が高い
元口は木材の芯に近く、耐久性の高い部分です。
強度を必要とする箇所に適しています。
・末口よりも重く太い
木の成長特性により、元口は末口に比べて太く重いという特徴があります。
・売買や加工で重要な基準
丸太の取引では、元口の直径(パイ)が大きさを示す重要な指標です。
重要ポイント
・用途による使い分け
元口は耐久性と強度が求められる梁や土台に適しており、末口は軽量な部分を必要とする場所に使われることが多いです。
用途に応じて元口と末口を使い分けることが重要です。
・施工時の設置方向
元口を下にして設置することで、木の自然な成長状態を保ち、長期的な安定性を確保できます。
逆木の状態で設置すると、木材の負荷が偏り、強度が低下する恐れがあります。
・丸太の選定基準
丸太の選定では、元口と末口の差が大きすぎないものを選ぶことが重要です。
極端な差がある丸太は加工が難しく、施工時のトラブルの原因となります。
現場管理における重要性
元口と末口の知識は、木材を正確に選定し、適切な施工を行うための基礎知識です。
特に木材を多用する伝統的な建築やリフォーム現場では、元口の向きや特性を理解することで、
建物全体の耐久性や安全性を高めることができます。
現場監督は、元口の扱い方を熟知し、作業員に的確な指示を出すことが求められます。
関連用語
・末口(すえくち):丸太の先端にあたる細い切断面。
・赤身:木材の芯に近い部分。強度と耐久性が高い。
・逆木(さかぎ):元口と末口を逆に設置した状態。
・パイ:丸太の直径を表す単位。
・小屋梁:屋根を支える梁。耐久性が求められる。