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几帳面

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追加日: 2024/11/28

「几帳面」とは、社寺建築や伝統的な日本建築に用いられる
面取り加工の一種です。もともとは、間仕切りや風よけとして使われた
「几帳(きちょう)」という家具から派生した言葉で、柱や板の角を丸く削り、
両側に鋭角の三角形を切り取った面取りを指します。

この加工を施すことで、建物の意匠に繊細な印象を与えることができ、
床の間や社寺建築などで多用されています。
また、単にしゃくり面を二回かけた簡単な面取りも「几帳面」と呼ばれます。

種類と特徴
 ・海老束几帳面(えびづかきちょうめん)
  棚の板と板の間にある「海老束(えびづか)」に施される几帳面加工のこと。

 ・猿几帳面(さるきちょうめん)
  通常の几帳面とは異なり、平行に面を出さずにくぼませた加工のこと。

 几帳面を取ることで、全体のデザインがやや硬い印象になり、
 格式の高い雰囲気を演出できます。
 特に、神社や仏閣などの厳格な建築様式に適した加工として用いられます。

現場監督にとっての重要ポイント
 ・几帳面加工は、社寺建築や高級和風建築での仕上げに欠かせない技術である。

 ・細かい意匠設計を理解し、施工精度を高めることで、
  伝統的な建築美を表現できる。

 ・加工の違い(海老束几帳面、猿几帳面など)を理解し、
  適切な仕上げを指示できるようにする。

 ・大工や職人とのコミュニケーションを円滑にするため、
  建築用語としての「几帳面」を正しく理解することが大切。

関連用語
 ・面取り(角を削り取る加工)

 ・しゃくり(溝を削る加工)

 ・意匠設計(建築デザイン)

 ・社寺建築(神社や仏閣の建築様式)

 ・日常用語としての「几帳面」

 現在、「几帳面」は建築用語としてだけでなく、
 「細かいことまできちんとする性格」の意味でも使われています。
 これは、几帳面加工の精巧さや丁寧さが、
 性格を表す言葉として転用されたことに由来しています。

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