**窯変タイル（ようへんタイル）**とは、タイルを焼く際に発生する温度や環境の変化によって、
色や模様が自然に変化するタイルのことです。
焼成中に釉薬（ゆうやく）や土の性質が影響し、同じ種類のタイルでも一つ一つ異なる風合いを持つ特徴があります。
このタイルは、個性的で独特なデザインを求める場面に適しており、主にインテリアや外装の装飾に使用されます。

焼成過程での温度差や酸素の供給量の違いが影響し、色むらや光沢感が生まれ、1枚ずつ異なる表情を持つのが特徴です。
そのため、「世界に一つだけ」のタイルともいわれ、特に高級感やオリジナリティを求める建築において人気があります。

特徴
　・色の変化と独自性
　　窯変タイルは、焼成中の温度変化や酸素供給量の違いによって、タイルごとに色や模様が微妙に異なります。
　　そのため、同じシリーズでも一枚一枚の表情が異なり、個性豊かな仕上がりになります。

　・風合いの多様性
　　釉薬の流れや焼き色の変化が目を引き、まるで手作りのような温かみが感じられます。
　　このため、シンプルなデザインや空間に深みを加えることができます。

　・高級感の演出
　　窯変タイルは、高級感や高いデザイン性を求められる場面に適しており、
　　住宅や商業施設の内装・外装において利用されることが多いです。
　　特に、高級ホテルや飲食店などでは、そのユニークな風合いが演出されます。

　・メンテナンスの容易さ
　　窯変タイルは、他のタイルに比べて汚れがつきにくく、耐久性も高いのが特徴です。
　　そのため、長期間の使用に耐えることができ、メンテナンスが容易です。

重要ポイント
　・施工時の均一性
　　窯変タイルは、焼成中の環境により色のムラが出ることがあります。
　　そのため、施工時にはどのタイルをどこに配置するかを慎重に計画し、全体のバランスを考慮した配置が求められます。
　　特に壁や床に貼る際には、仕上がりが均一になるよう調整することが大切です。

　・設置場所の選定
　　窯変タイルはその個性的なデザインを活かすため、適切な場所に使用することが重要です。
　　例えば、玄関やリビングなど目立つ場所に使用することで、
　　インテリアに高級感やオリジナリティを加えることができます。

　・色の選定
　　色合いや模様に差異があるため、購入時にサンプルを確認して選定することが重要です。
　　特に色の統一感を求める場合は、慎重に選ぶことが求められます。

　・乾燥や割れに注意
　　焼成時に発生する熱変化によっては、タイルの表面にひび割れや欠けが生じることがあります。
　　これを防ぐためには、施工後に十分な乾燥時間を確保し、施工中に割れや欠けを防ぐための注意が必要です。

現場管理における重要性
　窯変タイルはその独特な色合いと美しい風合いから、特に装飾的な用途で重宝されます。
　現場監督としては、施工においてタイルの特性を理解し、適切な配置や施工計画を立てることが重要です。　
　特に、タイルごとに異なる色味や模様があるため、デザイン面での調整や調和を意識する必要があります。

　さらに、耐久性やメンテナンス性の良さを活かすためには、施工時にしっかりとした基盤を作り、
　タイルの割れや欠けが発生しないように注意することが求められます。
　特に外装に使用する場合は、風雨や直射日光の影響を考慮し、
　長期間の耐久性を確保するための適切な施工を行うことが不可欠です。

関連用語
　・釉薬（ゆうやく）：
　　タイルや陶器の表面に塗布されるガラス質のコーティング。
　　窯変タイルの色合いや光沢感に重要な役割を果たす。

　・焼成：
　　タイルや陶器を高温で焼くプロセス。
　　窯変タイルの特徴的な色や模様は焼成中に発生する。

　・タイル張り：
　　タイルを床や壁に貼る施工方法。窯変タイルもこの方法で設置される。

　・目地：
　　タイルを貼り合わせる際の間隔。
　　目地の色や幅を調整することで、タイルの印象が大きく変わる。