床伏図

「床伏図」とは、建物の1階の床組みを上方から見下ろす形で描かれた図面です。
この図面は、床に使用されている仕上げ材を取り除いた状態で、
床構造がどのようになっているのかを視覚的に確認できる重要な設計図です。
一般的に、縮尺は1/100が用いられ、構造図として使用されます。
床伏図では、床下で隠れてしまう構造部材—例えば、土台、大引き、根太、束など—が詳細に描かれます。
床伏図は、設計図書として重要な意味を持っていましたが、
近年ではプレカット工法の普及により、施工図としての役割が強調されています。
これにより、施工業者は設計図面に基づき効率よく床組みを施工できるようになっています。
2階の床伏図は、1階の天井上に相当し、これにより上下階の床構造の関係も把握できるようになっています。
特徴
・床下構造の可視化:
床伏図は、床下に隠れてしまう構造部材(土台、大引き、根太、束)を
明示的に示すため、建物の床組みの詳細を確認するために欠かせない図面です。
・施工の指針:
近年のプレカット工法では、床伏図に基づいて部材が事前に加工されるため、
施工現場での作業効率が向上します。
これにより、施工ミスの削減や工期の短縮が実現されています。
・縮尺と精度:
床伏図は、一般的に1/100の縮尺で描かれ、詳細な寸法が記載されます。
このため、現場での部材配置や調整が精確に行われることが期待されます。
重要ポイント
・構造部材の位置確認:
床伏図には、床下で重要な役割を果たす部材の配置が示されています。
これにより、現場監督は事前に部材の配置や接続方法を把握し、
施工が設計通りに行われるかを確認することができます。
・施工の効率化:
プレカット工法を採用する現場では、床伏図が事前に部材を切断・加工するための基準となり、
現場での手作業を減らし、施工時間を短縮する効果があります。
・階層間の関係:
1階の床伏図だけでなく、2階や3階の床伏図との関係も重要です。
上下階の構造を整合させるために、各階の床伏図を確認し、正確な部材配置を行う必要があります。
関連用語
・プレカット工法:
部材を工場で事前にカットしておき、現場では組み立てるだけの方法。
この工法を採用することで、施工の精度向上や工期短縮が可能になります。
・土台:
建物の基礎部分に取り付けられる、水平の部材で、床伏図においてその配置が示されます。
・大引き:
床の構造部材の一つで、土台に取り付けられ、床を支える役割を担っています。
・根太:
床を支えるために大引きの上に設置される横材で、床板を支える重要な部材です。
・束:
床下で床を支えるために立てられる短い柱で、床伏図においてその配置が示されています。
現場監督にとっての重要性
現場監督は、床伏図を理解し、施工前に部材の手配や配置を確認することが必要です。
床伏図を基に、部材の正しい寸法や配置を確認し、
現場での施工が計画通りに行われているかをチェックすることが求められます。
また、床伏図は、床下の構造部材の配置を確認するために使用されるため、
施工ミスを防ぐための重要な指針となります。
現場監督は、施工業者が図面通りに部材を配置するよう指導し、図面に基づく調整を行うことが重要です。
さらに、プレカット工法の進化により、施工の効率化や工期短縮が可能となっているため、
現場監督は床伏図を活用し、施工の進捗をスムーズに管理することが求められます。