床束

「床束」は、主に木造建築の1階の床下に設けられる短い柱のことを指します。
大引きを支えるために使用され、一般的には束石やコンクリートの上に設置されます。
床束は垂直に配置され、床構造を安定させる重要な役割を果たします。
従来、90cm角程度の木材が使用されていましたが、木材は乾燥収縮が起こりやすいため、
床鳴り(床が軋む音)の原因となることがあります。
この問題を解決するため、現在では調整が簡単にできるプラ束や鋼製束が多く使われています。
プラ束は合成樹脂製で、大引きを支えるための受け口が付いており、簡単に高さ調整が可能です。
また、鋼製束も同様に、回転させることで高さを調整できる構造となっています。
これらの新しいタイプの床束は、施工の手間を減らし、
工期を短縮するための有効な方法として広く普及しています。
特徴
・簡単な調整:
プラ束や鋼製束は、回転やスライドで簡単に高さを調整できます。
これにより、施工時の微調整にかかる時間を大幅に削減できます。
・乾燥収縮の問題解決:
従来の木製床束は、乾燥収縮によって形状が変わることがありましたが、
プラ束や鋼製束はそのような問題を避けることができます。
・耐久性:
プラ束は合成樹脂製で、鋼製束は鉄製のため、木材に比べて耐久性が高く、
長期間にわたり安定した性能を発揮します。
・通気性の確保:
床束を使用することで、床下に適切な空間を作り、湿気やカビの発生を防ぐための通気が確保されます。
重要ポイント
・微調整が重要:
床束の高さや位置が正確でないと、床が不安定になり、床鳴りの原因となります。
プラ束や鋼製束のように簡単に調整できる材料を使うことで、施工の精度が向上し、問題の発生を防げます。
・施工の効率化:
プラ束や鋼製束は木製の床束に比べて施工が早く、手間が少ないため、工期の短縮に大きな効果があります。
現場監督は施工効率を考慮し、材料選定に配慮する必要があります。
・耐久性の考慮:
耐久性を考えると、木製の床束は湿気や害虫による腐食のリスクがありますが、
プラ束や鋼製束はそのリスクを低減できます。
長期的な安全性を確保するためにも、適切な材料を選ぶことが重要です。
関連用語
・大引き:
床を支えるために使用される水平材。
床束はこの大引きを支えるために設置されます。
・束石:
床束を設置するために用いられる石やコンクリート製の基礎部材。
床束がしっかりと支持されるために重要な役割を果たします。
・床鳴り:
床の板が動くことによって発生する音。
床束の調整不良や材料の問題によって引き起こされることがあります。
・微調整:
床束の高さや位置を細かく調整する作業。
これにより床の安定性が確保されます。
現場監督にとっての重要性
現場監督として、床束の設置精度をしっかりと確認することは非常に重要です。
床束の不正確な設置は、後々の構造的な問題や床鳴りの原因となり、施工後の補修が必要となる可能性があります。
特に、プラ束や鋼製束のように、調整が簡単にできる材料を選ぶことで、
施工時間を短縮し、現場の効率化を図ることができます。
また、耐久性や湿気対策も重要な要素であり、適切な材料を選ぶことが、長期的な安全性と快適さに繋がります。