実地設計書は、建物の施工において、現場の特性や条件に基づいて作成される
詳細な設計書です。これは、設計段階で決定した基本設計や概略設計に基づき、
現場での実際的な施工に必要な詳細情報を盛り込んだもので、
施工を実行するための指針となります。
通常、実地設計書には、各構造部分の設計図、施工方法、
使用する材料や設備の仕様が含まれています。

【特徴】
　・現場特性に基づいた詳細設計：
　　実地設計書は、現場の地形や環境、条件に基づいて作成されます。
　　これにより、設計がより現実的で実行可能なものとなり、
　　施工中の問題を未然に防ぐことができます。

　・施工指針として活用：
　　実地設計書は、現場監督や施工業者にとって、
　　具体的な作業指針となります。設計通りに施工が進むように、
　　細部まで指示が書き込まれています。

　・変更や調整を反映：
　　現場での状況に応じて、基本設計や概略設計から変更や調整が必要な場合、
　　その内容を反映させた実地設計書が作成されます。

【重要ポイント】
　・現場状況を反映した設計：
　　実地設計書は、設計段階では考慮しきれなかった
　　現場特有の問題を解決するために重要です。
　　例えば、土壌の状況や周囲の建物との関係などが設計に影響を与えます。

　・施工精度を高める：
　　実地設計書には、施工を円滑に進めるための
　　詳細な手順や作業指示が含まれており、
　　施工精度を高めるために欠かせないものです。

　・施工者との連携：
　　設計書が詳細であればあるほど、施工者とのコミュニケーションが
　　スムーズになります。現場監督は、この設計書をもとに進行管理を行い、
　　施工者と密に連携しながら進めることが求められます。

【関連用語】
　・基本設計：実地設計書を作成する前に行う、建物の概略的な設計。
　　　　　　　これに基づいて実地設計書が作成されます。

　・施工図：実際の施工を行うために、実地設計書を基に作成される詳細な図面。

　・設計変更：現場の状況や施工方法に合わせて、
　　　　　　　実地設計書に変更が加わることがあります。

【現場管理における重要性】
　実地設計書は、現場監督にとって非常に重要な資料です。
　現場での作業が実地設計書に沿って進行しているかどうかを確認し、
　設計通りに進めることが現場監督の責任となります。
　設計書に基づいて、現場での施工が安全かつ効率的に行われるよう
　管理することが求められます。
　また、設計書に記載された内容が現場に正確に反映されているかを
　常にチェックすることが、工事の品質と進行を確保するための重要な役割です。