乾燥材（かんそうざい）とは、建設工事において使用される木材やその他の建材が、
施工前に水分を適切に取り除き、乾燥させた状態を指します。
乾燥材は、主に木材で使用され、湿気が多い状態のままで使用すると、
後の施工に問題を引き起こすことがあります。特に木材は湿った状態で使用すると、
収縮や反り、ひび割れが発生する可能性があるため、乾燥材を使用することは重要です。

特徴
　・適切な水分量の管理
　　乾燥材は、湿度が適切に管理された状態で使用されるため、
　　木材に含まれる水分含量が一定に保たれます。
　　建築業界では、木材の水分含量が15%以下を目安にすることが多いです。
　　これにより、湿気による不具合を防ぎ、長期間安定した使用が可能になります。

　・施工後の問題防止
　　乾燥された木材や他の材料は、施工後に収縮や膨張を防ぐため、
　　品質を長期間保つことができます。
　　これにより、構造的な不具合やデザインの崩れを未然に防ぐことができます。

　・乾燥方法の多様性
　　木材の乾燥方法には、自然乾燥と人工乾燥があり、
　　それぞれの方法に応じた時間とコストがかかります。
　　人工乾燥では、乾燥室内で温度と湿度をコントロールして
　　効率的に乾燥させることが可能です。

現場監督として重要なポイント
　・乾燥状態の確認
　　現場監督は、使用する木材や建材が適切に乾燥されていることを
　　確認する必要があります。湿度が高い木材を使用すると、
　　収縮や反りが発生する原因となり、建物の品質に影響を与えることがあります。
　　工事前に水分含量測定器を使って、木材の乾燥状態を確認することが重要です。

　・乾燥材の保管方法
　　乾燥材は湿気を吸わないように管理し、保管場所も重要です。
　　適切な保管場所を選び、特に外部からの雨や湿気から乾燥材を守ることが、
　　工事の品質を保つために必要です。保管場所は、通気性の良い場所が望ましく、
　　湿気の多い場所では乾燥材が再び湿気を吸ってしまう可能性があります。

　・乾燥材の供給確認
　　施工計画において、乾燥材の供給がタイムリーに行われているか、
　　必要な量が確保されているかを現場監督は事前に確認しておく必要があります。
　　遅れが発生すると、作業が遅延する可能性があるため、
　　乾燥材の供給計画をしっかり管理することが求められます。

　・乾燥による収縮を考慮した設計
　　木材や乾燥材を使用する際は、その後の収縮を予測した設計が必要です。
　　現場監督は、木材が乾燥後に収縮することを考慮し、
　　隙間や間隔を適切に設定することが求められます。
　　これにより、後の工程で問題が発生するリスクを減らせます。

現場管理における重要性
　乾燥材の使用は、建物の長期的な耐久性や美観に直結する重要な要素です。
　木材や建材が湿った状態で使用されると、施工後に変形や
　損傷を引き起こすリスクが高まります。そのため、現場監督は乾燥材を適切に管理し、
　木材の乾燥度や保管状態を細心の注意を払ってチェックする必要があります。
　また、湿気管理も重要で、乾燥材を使用する際はその周囲の環境に配慮した作業を
　進めることが求められます。

関連用語
　・収縮：乾燥した木材や素材が湿気を失うことによって起こる体積の減少。

　・湿度管理：材料が適切に乾燥するための環境の維持。

　・自然乾燥：屋外などの自然環境で乾燥させる方法。

　・人工乾燥：乾燥室を使用して温度・湿度をコントロールして乾燥させる方法。