引渡しとは、建設プロジェクトにおいて、施工業者から発注者（クライアント）に完成した建物や施設を正式に渡すことを指します。
引渡しは、建設工事の完了を示す重要な段階であり、契約書に基づいた成果物が求められる時点でもあります。
引渡しが行われる前には、工事が仕様通りに完了しているか、検査を通じて確認されます。
引渡し後、施工業者の責任は完了し、クライアントはその施設を使用できるようになります。

特徴
　・完了確認:
　　引渡し前には、設計図や仕様書に基づき、完成した建物が正確に施工されているかの最終確認が行われます。
　　この確認作業は、現場監督が主導で行うことが多いです。

　・クライアントとの最終確認:
　　クライアントと共に建物の最終検査が行われ、納得がいけば引渡しが実施されます。
　　この段階では、使用方法や維持管理についての説明も行われます。

　・検査項目:
　　引渡しに際しては、構造、設備、外装、内装など、すべての分野に対して検査が行われ、
　　不具合や不備があれば修正を依頼されます。

重要ポイント
　・工事完了検査:
　　引渡し前の最終検査では、設計通りにすべてが完成しているかを確認します。
　　現場監督は、施工業者と連携し、漏れや不具合がないかを確認することが重要です。

　・書類の整備:
　　引渡しに関する書類（検査報告書、保証書、使用方法書など）は必須です。
　　これらの書類が整っていないと、引渡しがスムーズに進みません。
　
　・竣工図面の確認:
　　完了した工事が、竣工図面と一致していることを確認する必要があります。
　　図面通りに施工されていない部分があれば、引渡し前に調整を行います。

関連用語
　・竣工（しゅんこう）:
　　建物や施設が完成し、使用するために準備が整った状態を指します。
　　引渡しは竣工後に行われます。

　・完成検査:
　　工事が完了した後、引渡し前に行う検査。
　　施工が仕様通りか、設計に準じているかを確認します。

　・契約書:
　　工事内容や納期、引渡し条件などが記載された書類。
　　引渡し前に契約内容を再確認することが重要です。

現場監督として重要なポイント
　現場監督として、引渡しに向けた最終確認作業は非常に重要です。
　不具合が発見されると、工事のやり直しや修正が発生し、クライアントとの信頼関係に影響を与えることもあります。
　引渡しの前には、以下の点に特に注意しましょう：

　・検査の徹底:
　　工事のあらゆる部分を詳細に検査し、クライアントが納得できる状態を作り上げること。

　・書類の整備と確認:
　　検査報告書、保証書、使用方法書などの書類を適切に整備し、引渡し後に問題が生じないようにします。

　・クライアントとの連携:
　　引渡しを行う前にクライアントと細部の調整を行い、双方が満足できる状態で引渡しを完了させること。

現場管理における重要性
　引渡しは、プロジェクトの最終段階であり、クライアントとの信頼関係を確立する重要な瞬間です。
　現場監督は、工事がスケジュール通りに完成し、品質が求められる水準に達していることを確認した後、
　円滑に引渡しを進める責任を担います。
　また、引渡し後にも保証期間やアフターサービスがある場合、クライアントが不具合を報告できる体制を整えておくことも重要です。