呼び樋

呼び樋とは、建物の雨樋システムの一部で、
竪樋(たてどい)と軒樋(のきどい)をつなぐ斜めに取り付けられた樋のことを指します。
また、ルーフドレインや**集水桝(鮟鱇)**と竪樋をつなぐ役割を果たす場合もあります。
雨水を効率的に排水するために欠かせない部材であり、建物の排水計画において重要な役割を担います。
特徴
・雨水の流路を確保
呼び樋は、左右に枝分かれした軒樋の雨水を集めて竪樋や排水設備に導きます。
・排水量の調整
呼び樋の寸法は竪樋と同じ系統のものを使用することで、雨水の排水量を一定に保つことが可能です。
・弱点を補う設計が必要
壁の支えがなく荷重がかかりやすいため、呼び樋は施工精度や強度が特に重要な箇所です。
・接続部材の一体化
最近では、鮟鱇と一体的に使用されることが増えています。
現場監督としての重要ポイント
・正確な寸法選定
呼び樋と竪樋の径を一致させることで、詰まりを防ぎ、スムーズな排水を実現します。
・強度を確保した施工
呼び樋は斜めに設置されるため、荷重に耐えられるよていねいな取り付けが必要です。
支えが弱いため、金具の選定や施工方法が重要です。
・詰まり防止の設計
雨水の排水が滞らないよう、ゴミや葉が詰まりにくい構造や配置を検討します。
・定期的な点検・清掃の指導
呼び樋が詰まると排水不良を引き起こし、建物に悪影響を与えるため、清掃や点検の計画も重要です。
関連用語
・竪樋: 雨水を軒樋から地上や排水設備に流す垂直な樋。
・軒樋: 屋根の雨水を集めるために水平に設置された樋。
・ルーフドレイン: 屋上などの雨水を排水するための排水口。
・鮟鱇(あんこう): 集水桝のこと。呼び樋や竪樋と接続される部分。
・排水計画: 建物周辺の雨水を適切に処理するための計画。
現場管理における重要性
呼び樋は、建物の雨水排水計画の要となる部材の一つです。
適切な施工が行われないと、詰まりや破損が原因で雨漏りや建物の劣化につながる可能性があります。
現場監督は、呼び樋の設計・施工段階から細心の注意を払い、適切な排水が維持できるよう管理する責任を負っています。
特に、壁の支えがない箇所では強度の確保が重要であり、接続部分や施工方法をしっかりと把握することが求められます。