連続基礎

連続基礎は、**布基礎(ぬのきそ)**とも呼ばれ、柱や壁の下に沿って布状に連続して設置される基礎のことです。
地盤が比較的良好で、建物が低層である場合によく採用されます。
特徴
・構造
柱や壁の下に連続した形で布状に設けられる基礎。
木造建築や**組積造(れんが造やコンクリートブロック造)**に多く用いられる。
・材料
主に使用される材料には、コンクリート、れんが、特殊コンクリートブロック、切石などがあります。
・湿気対策
基礎内部の土が約8割程度露出しているため、湿気やシロアリの被害を受けやすいという課題があります。
防湿コンクリートを敷くことで湿気を防ぐことが可能です。
・施工条件
地表ではなく地下の浅い部分に良好な地盤がある場合、その地盤を露出させ、直接基礎として利用することもあります。
重要ポイント
・採用の場面
地盤が比較的安定しており、建物が2階建て以下の木造住宅など、比較的小規模な建築物に使用されます。
壁式構造の建物では、特にこの基礎が多用されます。
・湿気やシロアリ対策の必要性
湿気がたまりやすくシロアリの被害を受けやすいため、防湿コンクリートの敷設や防蟻処理が必要です。
長期的な耐久性を確保するため、施工時にはこれらの対策が必須です。
・地盤調査の重要性
地盤が良好でない場合、連続基礎は適さず、べた基礎や杭基礎など他の基礎形式が必要となります。
事前に地盤調査を行い、適切な基礎形式を選択することが現場監督としての重要な役割です。
・現在の使用状況
1990年代後半以降、耐震性や湿気対策が重視されるようになり、べた基礎の普及が進んでいます。
しかし、地盤条件や建物の用途によっては、今でも連続基礎が選ばれることがあります。
現場管理における重要性
連続基礎は地盤と建物を直接支える基礎形式であり、建物全体の安定性や耐久性に直結します。
現場監督としては以下の点が重要です:
・施工精度の管理
コンクリートの配合や型枠の設置、水平の確保など、施工精度が建物の耐久性に影響を与えます。
・湿気対策の確認
防湿コンクリートや防蟻処理が適切に行われているかをチェックし、施主や建築主に説明できるようにしておきましょう。
・地盤調査の結果確認
地盤の強度が連続基礎に適しているかを確認し、必要に応じて地盤改良工事を提案します。
関連用語
・べた基礎:建物全体をコンクリートで覆う基礎形式。湿気対策や耐震性に優れる。
・直接基礎:地盤に直接基礎を設置する形式で、連続基礎もこの一種。
・防蟻処理:シロアリの侵入を防ぐための薬剤や対策。
・型枠:コンクリートを流し込む際に使用する枠。