工事請負契約は、建設業において、施工業者（請負業者）が
発注者（依頼者）から工事を受け、約束した内容の工事を遂行する契約です。
この契約により、請負業者は工事の完了をもって報酬を受け取ることができます。
工事請負契約には、工事内容や費用、納期などの条件が明確に記載され、
双方の義務と権利を規定します。

特徴
　・工事の内容と費用の明確化
　　工事請負契約では、工事の範囲、使用する材料、作業の進行方法などが
　　詳細に記載されます。また、工事にかかる費用も予算として明示され、
　　工事完了後の支払い条件も定められます。
　　これにより、工事に関する誤解やトラブルを防止できます。

　・請負業者の責任
　　請負業者は、工事が完了するまでの間、約束された内容通りに
　　工事を遂行する責任を負います。
　　工事の品質や納期、労働安全などに対する責任も求められます。

　・契約の履行と報酬
　　工事請負契約は、業者が工事を完成させた段階で報酬を受け取るという
　　「完成報酬型」が一般的です。
　　契約には、工事の進捗に応じた支払い条件（部分払い）や
　　完成後一括支払いが規定されることもあります。

重要ポイント
　・契約書の確認
　　工事請負契約では、契約書に記載された内容をしっかりと確認することが
　　非常に重要です。特に工事の範囲や納期、費用について明確に記載されているか、
　　追加料金が発生する条件などについて確認を怠らないようにします。

　・変更契約
　　工事中に計画変更が発生した場合、変更契約を締結することが
　　求められることがあります。これにより、変更点に関する合意が正式に記録され、
　　後のトラブルを防ぎます。
　　現場監督は、変更点がある場合には迅速に対応し、
　　必要な書類を整備することが大切です。

　・納期と品質の遵守
　　工事請負契約には、納期や品質に関する条項が含まれます。
　　請負業者はこれらを遵守する責任があり、現場監督としてもこれらの項目が
　　契約通りに進行しているかを管理する役割があります。
　　納期遅れや品質低下が生じないように、定期的な進捗確認が欠かせません。

現場管理における重要性
　工事請負契約は、建設現場で発生する多くの問題や変更に対応するための
　基本的な枠組みを提供します。現場監督は契約内容に基づいて、
　施工業者と発注者との間で発生する可能性のあるトラブルを未然に防ぐ役割を担います。
　特に、契約に定められた納期や費用、品質に関する条項を守ることは、
　工事のスムーズな進行と、最終的な成果物の品質を確保するために非常に重要です。

　現場監督は、契約内容に基づく管理を徹底することで、
　工事の完成に向けた進行を効率的に進めることができます。
　また、契約書の内容をしっかりと理解し、
　変更契約が必要な場合には迅速に対応することが、
　後々のトラブルを防ぐために欠かせません。

関連用語
　・請負業者：工事を引き受ける側の業者。

　・発注者：工事を依頼する側の企業や個人。

　・契約書：工事請負契約の内容を記載した文書。

　・変更契約：工事中に内容や条件を変更する際の追加契約。

　・納期：工事が完了すべき期限。