ISM規定（International Safety Management Code）は、
船舶の安全運航や海洋汚染防止のために国際的に定められた規則です。
この規定は、船舶の運行における安全管理を確保し、
船舶の所有者や管理者が乗組員や貨物の安全を
最優先に考えた運航を行うことを義務付けています。
建設現場では、特に海上輸送や船舶が関わる工事において
ISM規定の遵守が求められます。

特徴
　・国際的な安全管理基準：
　　船舶の運航に関して、国際的な基準を設け、
　　全ての国で共通の安全管理体制が求められます。

　・事故防止とリスク管理：
　　船舶の事故を未然に防ぐためにリスク管理や対応手順が重視されます。

　・環境保護の義務：
　　海洋汚染防止を目的に、環境に対する安全対策も厳格に定められています。

現場監督としての重要ポイント
　・海上輸送の手配や安全管理に関する理解：
　　海上輸送を利用する場合、ISM規定に基づき、
　　安全で確実な輸送計画を立てることが重要です。
　　特に、資材や機械が海を越えて運搬される場合には、
　　規定に沿った安全管理が必要となります。

　・リスク管理と対策の徹底：
　　輸送時の事故を防ぐために、リスクアセスメントを行い、
　　適切な対応策を講じることが重要です。船舶が関わるプロジェクトでは、
　　現場監督が積極的に安全管理に関与する必要があります。

　・環境への配慮：
　　ISM規定に従い、海上での工事や輸送時には海洋汚染を防ぐための措置を徹底し、
　　環境保護を重視する姿勢が求められます。

関連用語
　・SOLAS条約：
　　船舶の安全に関する国際条約で、ISM規定を含む国際的な基準です。

　・MARPOL条約：
　　海洋汚染防止を目的とした国際条約で、
　　海上輸送における環境保護の指針となっています。

　・リスクアセスメント：
　　安全管理の一環として、リスクを特定し、対策を講じるための評価手法です。

現場管理における重要性
　ISM規定は、現場における海上輸送や船舶を利用した作業の
　安全管理に直結する重要な規定です。
　特に海上輸送が多い建設現場では、輸送中の安全確保や環境保護の徹底が求められ、
　現場監督が理解しておくべき基準といえます。
　規定に沿った管理を行うことで、事故リスクの低減や輸送の効率化が図れ、
　プロジェクト全体の安全性と信頼性が高まります。